信託口口座

 

令和2年7月にこんな事がありました。

 

土地の売買で、買主さんから売主さんの口座に数千万

の残代金を振込むことになったのです。

 

不動産の売買では、売買代金を売主さんの口座に振込

のは、当然ですが、今回は家族信託物件の為、売主

さんの口座は

 

〇〇信用金庫 〇〇支店 家族信託口 

口座番号〇〇〇〇〇〇 口座名義〇〇

 

となっていました。

 

買主さんに、振込用紙を書いていただき、銀行に振込

依頼したところ

 

「シンタクグチですか、シンタククチですか?」

「読み方が違うと、振込が出来ないので」

「振込先の〇〇信金に聞いてください。」

 

と言ってきました。

 

いやあ・・どう見てもシンタクグチでしょうが・・

 

なんか銀行によって、読み方が違うらしいんです。

(信託口の読み方が銀行によって違うなんて変!)

 

 

パソコンで入力すると、シンタクグチでも、クチ

でもちゃんと【信託口】と出るんです。

どっちでもいいよ。って事のようです。

 

しかし振込の場合は、を間違えると振込でき

なくな程【重要な事】らしいです。

(ホントなの? なんか信用できないような・・)

 

まあ、銀行によって考え方は全く違いますからきっと

それほど重要な事なんでしょう(笑)

 

とにかく私は、〇〇信金に電話して聞いてみました。

 

 

 

〇〇信金、折返し電話なし!

 

 

はい。〇〇信用金庫〇〇支店〇〇でございます。

 

・・・元気な若い男性行員の声です。

 

私は

 

「今他行さんで土地の売買の残金決済をしていて

御社にある売主さんの信託口口座に振込をするん

ですが、読み方はシンタクグチですか、それとも

シンタククチですか?教えてください。」

 

と話しました。

もちろん、私の氏名、会社名、電話番号を伝えて

話したんですが、

 

信金担当者は

 

「確認して折返し連絡します。」

と確かに言い、一旦電話を切りました。

司法書士、買主さんの目の前で電話しているので

みんな(すぐに電話があるだろう。)と思っていま

したが読みが甘かったようです。

 

 

 

5分・10分・15分経ちました。

 

が電話はありません。

 

こんな時は本当に時間が長く感じます。

 

信金からの返事がないと振込依頼書が書けないので

現時点で残金決済手続きは凍結しています。

 

私の常識では、15分経ったらもう折返しの域を超え

ています。以下は私の心の声です。

 

(信金のクソガキ、折返しの意味を知らないのか?)

(この信金は今後絶対に使わない。これ決定!)

 

銀行担当も

「まだ連絡ないですか?」と言っているので

もう一度電話をしたら、今度は違う担当が出ました。

 

再度説明をしていたら、先程の担当に電話が代

わり、慌てた声で・・・

 

「シンタクグチです。」

 

(・・・なんだこいつ?)

 

私は思わず買主さんの前で、

 

「催促しねーと調べねーのかよ!」と言いました。

※電話を切ってからですよ

 

私の隣にいた買主さんは、笑ってました。

 

 

やっぱり、シンタクグチでした。

少なくとも私が絶対使わない〇〇信金の信託口

読み方はシンタクグチでした。

 

信託口口座を取り扱っている銀行は少ないようですが

「うちは、シンタククチだ!」

という銀行ってあるんでしょうか?

 

(私は、そんな銀行無いよ!って思います。)

 

蜃気楼におびえてるほど暇じゃない!(怒)

 

 

 

 

 

日本語・漢字は奥深いものです

 

 

確かに、漢字だと読み方がたくさんあるので間違い

の原因になります。

 

人の名前とかは本当に読めないです。

 

佐藤と書いてあれば普通【サトウ】と読みますが

 

【サドウ、サトヲ、サト、サイトウ・・】等読み方が

 

たくさんあるらしいです。

めんどくさいですね。

 

しかし、佐藤と書いて【サイトウ】と読ませる人って

本当にいるんでしょうか?

 

サイトウ(フリガナ)

佐  藤    こうして書かなければ誰もサイトウ

とは読めませんよね。

 

 

カタカナの場合は、読み方が1つしかありませんので

間違いがないんです。

 

世の中複雑になっているように見えて、実は単純化し

ているんですね。

 

カタカナや、ABCだけの世界では、解りやすい反面

殺伐としたものを感じます。

 

揺らぎや、ゆとり、遊び心があり、見ただけで意味

が解る【漢字】の奥深さはターミネーターのような

金属と電波の塊(パソコンや、ネット環境の事)

には当分理解できないでしょう。

 

結局、どう読んでもいい。意味はたくさんある。と

いうのが日本語、漢字です。

 

カチッとした答えがないところが、心地よく独創性

があっていいですね。

 

未来堂 皆川

 

※次回は【信託登記物件に住宅ローンは出にくい】

 を書きます。これもまた変な話なんです。